WORKS PLUS 株式会社
2023年8月31日
先日、あるお部屋の壁にあるスイッチやコントローラーを綺麗に収納できたらっとのご相談を承りました。
コントローラーのサイズはバラバラで、給湯器、インターフォン、警備システム、施錠スイッチなど数点。厚みも異なりぱっと見ゴチャゴチャしてしまっています。
場所もちょうどキッチンへの動線壁にある為、時々触れてしまうのも気になってしまいます。
キッチンのリフォーム(壁紙・床の貼替)のタイミングで、コントローラー収納としてのニッチ収納を作成し壁と一体化させることで、コントローラーの並びの変更、使用していない物の撤去等も行い、とてもスッキリとさせる事が出来ました。
こういったコントローラー等は、高さが揃うだけでも気持ちよく感じます。
最近では普通に聞かれるようになったニッチ収納ですが、そもそもニッチ収納って?っと思われる方もいらっしゃると思いますので、少しニッチ収納についてご説明します。
インテリアにおける「ニッチ(niche)」とは、厚い壁をくり抜くように設けた空間のことです。ニッチはオブジェや絵画などを飾るディスプレイスペースや、小物の収納スペースとして活用することができます。
ニッチをご自身の思われるイメージにカスタマイズする事も出来、背面にタイルやアクセントクロス張ってインテリア性を高める事も可能です。
棚を設けて収納量をアップさせたり、スポットライトを設置してディスプレイをより美しく演出する、といった方法もあります。
新築で作られる場合とは違って、ニッチ収納を既存の壁をくり抜き造作する場合は特に場所や大きさに制限が出てきます。
何故なら、ニッチのつけられる場所や大きさの制限は、 壁の裏側に秘密があるからです。
簡単に言うと、一般的には筋交いや間柱がある場所にはつけられません。
要するに、 その柱を避けて作ることになりますので、かなり狭いスペースになり、設置する位置も制限されます。
つまり、 自分の好きな場所につけられるというわけではありません。
しかし、基本的な構造体である、通し柱などの耐震強度に関わる部分は、建築基準に引っかかるので加工できません。構造を支える役割を持つ耐力壁、外壁やコンクリート壁にも加工はできません。しかし、筋交いや間柱であれば、加工することも可能なので、多少ニッチを大きくすることは出来ます。
ニッチ収納に適していない場所に設置をしたい場合は、壁をふかす(外側にもう一枚壁を設けて二重化する)必要があります。
この場合は通常より費用が掛かってしまう為、注意が必要です。
ニッチ収納のメリットとしては、ニッチ収納を設ければ、住まいのちょっとした空間も無駄なく活用することが可能です。
逆に、広すぎる壁にニッチがあれば、間延びした印象を防ぐアクセントの役割にもなります。壁に埋め込むシンプルな見た目は、インテリアに調和しやすいです。
ここで気を付けたいのが、遮音性能が下がることがあるという事です。
ニッチ収納を設けると、その奥行きのぶん設置場所の壁が薄くなり遮音性能が下がります。例えば、寝室に隣接するトイレの壁にニッチ収納を設けた場合、トイレに出入りする物音や水を流す音が、ニッチ収納がない場合に比べて伝わりやすくなります。
また、当然ながら、ニッチ収納は一般的な収納家具のように、気軽に後付けしたり移動したりできません。
ニッチ収納を作ることができるのは住まいの新築時やリフォーム・リノベーション時のみということになりますが、その設置場所はしっかりと考える必要があります。
位置をやみくもに決めると、うまく活用できなかったり、家具の配置によってニッチ収納が塞がれたりするケースもあるからです。
玄関ならスリッパを掛ける場所に、お客様を迎えるディスプレイスペースに、リビングならスマホの充電スペースに、脱衣所、寝室、トイレ・・・etcこの場所にニッチ収納を作ったらっを想像しながらご自身好みのニッチ収納をお考え下さい。
お客様のご要望、スペースに合わせてご提案させて頂きます。是非ご相談下さい。